教育について


教育と国家

 教育は、思想である。

 教育の本質は、国家にある。つまり、教育の在り方について語ることは、国家の在り方について語ることである。
 今の日本の教育には、この肝心の国家観が欠けている。

 教育の基礎となる思想は、憲法である。教育の施策の根拠は憲法である。国家の基礎理念である憲法に瑕疵、又は、それを訂正することができなければ、その国は、憲法と運命を共にしなければならない。

 憲法は建国の理念だ。つまり、国家根本の哲学である。哲学であると同時に、建国の目的でもある。建国の目的は、すなわち、教育の目的でもある。故に、建国の理念に基づかない教育は、目的をもてない。

 我が国の国是、国家理念は、個人主義自由主義民主主義、共和主義である。
 民主主義を国家理念としている我が国が、無思想という事はあり得ない。むしろ、民主主義国は、いろいろな国家形態の中でも、特に、理念的、思想的国家体制の一つである。

 愛国心は、国家主義や全体主義、軍国主義、独裁主義のみにあるのではない。民主主義には、民主義国の愛国心の在り方がある。もともと、民主主義国家は、歴史的に見て、独立や革命によって成立しており、多くの国民、人民の地によって贖われて成立している。それ故に、愛国心を強要するような国家主義や全体主義、軍国主義、独裁主義よりも愛国心は強いものである。民主主義教育は、民主主義国としての正しい愛国心の在り方を教えるのが本来の姿である。

 愛国心を否定したら教育は、成り立たない。民主主義社会において、自尊心や誇りを持たせることは、教育の最も根本的な目的の一つである。なぜなら、主体性は、誇りから生まれるからである。そして、自尊心や名誉の根本は、愛国心だからである。

 全体主義に対する否定が、国家への否定につながるのは、間違っている。

 戦前の国家体制と戦後の国家体制は、明らかに違う。また、憲法も違う。そういう根本的なことを無視して、一方的に国家を否定するような教育するのはおかしい。また、そのようなことを国家、国民、保護者も望んでいないのに、一部の教師の偏見と独断よって教育の現場に持ち込まれるのは、一種の背信行為である。


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