段取り

段取り


仕事は段取り八分という。
仕事は段取りで決まる。
しかし、段取りをとれない人が増えている。
そういう人は何の考えもなく、目先の作業をこなす事ばかりに専念する。
予め、決められた仕事や言われた事はできるが、経験した事のない仕事や少し複雑で時間がかかる仕事、それでなくとも、組織的な仕事はできなくなる。
こうなると何の計算、算段もなく、行き当たりばったりの事しかできなくなり。仕事そのものが散漫でまとまりのない事になる。

段取りをする前に枠組みが必要となる。
枠組みとは、フレームワークである。フレームワークのフレームとは枠である。
枠には、既成の枠と独自の枠がある。独自の枠は、白紙から作る枠である。

枠組みができたら作業の洗い出しをして、作業手順を組んでいく。
その前提として必要とされるのが段取りである。

手段に一つの理念、計画でも組織でも認知させる為には、形が必要である。通常の文節を積み上げた論理では、全体像を瞬時に把握する事は不可能だからである。
集団が一つの観念を共有し、行動する為には、操作性と視覚性が重要な鍵となる。
それが今巷間言われる見えるかの根拠である。

段取りでは、形を作る事が重要な要素となる。
組織、計画、段取りは形で考える。

現代の日本人は、形を作ると言う事に関しても否定的だが、集団活動は形が重要で、形によって制御する場合が多くある。形を否定したら思考力は低下する。

形式が悪いのではなく、形式が形骸化するから悪いのである。

組織というのは、集団活動の基盤である。
組織の体制は、仕事の段取りを制約する。
それと同時に、組織の仕事は段取りによって制御される。
組織は、その根底に共通の、又、一つの目的によって統御されていなければ統制を失うのである。
故に、一つの段取りを共有する必要がある。
プラットホーム(基盤)を共有することによって個々独立した要素を空間的、時間的に成業するのである。
そこに、組織、段取りの重要性が潜んでいる。

段取りで重要なのは、初期設定と、最終処理であり、初期設定と最終処理は予め決めておく必要がある。何事も出発点、スタートラインとゴールが肝心でスタートラインとゴールを明確にしておかないと段取りはとれない。

その上で基本動作を定型化しておく事が肝要である。

例えば、段取りをする為の基本行動である。

原則は、まず、日を切る事である。
何らかの結論や指示が出た場合の基本行動である。
特に、個々の打ち合わせでは次回をどうするかが重要な鍵を握る。
打ち合わせの最後には、必ず次回どうするかを決める癖をつける。
その際、どんな形でも日を切る。
日限を決める。
例えば、その場で次回の日が決まらない場合でも、日をいつまでに誰が決めるかを決める。なるべくなら即答を避け、多少時間を空けて打ち合わせの時間を設定する癖をつけるといい。そうすると自然と頭で整理するようになる。
形を作って形で考えるようにする。
打ち合わせる日を決めて、その日にやる事を決め、その日までにやっておく事を決める。どうなった。
どうする事になった。
じゃあどうしようか。
そして段取り、枠組みを決める。
それから細かい日程の打ち合わせに入る。
この段階では、あまり深くないように関与しない。
なぜなら、基本的は担当者に決めさせる事になるからである。
故に、上位の者は目的や方向性、考え方、原則、動機、経緯を示す程度にとどめるのが妥当であるからである。
それでも、主旨、目的、動機や経緯と伝えるべき事は多岐にわたるから予め整理しておく必要がある。

組織や人間関係を悪化させる一番の原因は、この段取りとか手順が狂っているあるいは組織の論理との不整合性、不協和音にある。多くの人は、個人に原因を求めがちだが、多くの場合、個人に責任はない。

仕組みが原因だけどそれに気がつかない者は人の性にする。互いに相手を責め合っても問題は解決しない原因は別の処にあるからである。それに変えようのない事を変えようとするからである。




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