C−3 親権

 教育の基本は、親権であることを忘れてはならない。

 親権は、子供を養育するための基本的な権利である。子供の教育に関しては、最も優先されなければならない権利であり、保障されなければならない権利でもある。その権利がこと教育に関して全く蔑ろ(ないがしろ)にされている。

 教育の成果が現れるのは、孫の代である。つまり、現在行われている教育は、今教育を受けている者が子育てをした結果としてでる。それほど教育というのは、時間がかかるのである。むろん、教育の内容によっては、影響は即でる。故に、短期的にでる影響と長期的な影響を鑑みて、教育の改革は為されなければならない。
 そして、長期的な影響に関して、責任をとらされるのは、親権を持つ者である。それに対し、現行の教育制度では、教育者は、自分が受け持っている間だけの結果にしか責任を負わない。
 親権が、教育において最も優先されるべきなのは、必然的帰結である。

 教育の根本は、保護者の該当の教育を望んでいるか否かである。保護者の望まない教育をする事は、親権の侵犯である。

 過激な性教育は、親権を侵犯している。
 平等論や男女同権論を振りかざすのは良しとしよう。しかし、一度それを教育の現場に持ち込む親権を持つ者の了解もなく、子供に教育する行為は、明白な親権の侵犯である。

 学校は、一部の教育者の実験場ではない。教育者が個人としてどのような思想をもつのかは、それは、個人の自由である。しかし、業務上の責任として親権を持つ者の意志を無視して子供を教育することは、明確な越権行為である。

 公共事業といえども教育は、他の公共事業と違い、価値観、モラルに立脚して為されるべきものである。その基礎となる価値観、モラルは、その土台にある親権者の価値観と社会的規範である。教育者は、その土台の上に教育をしていかなければならない。




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