真の教育とは

知恵の完成

　　教育は、その目的を成就し、生徒が学ぶ喜びを体得すると学問へと昇華します。そして、学問の究極的目的は、知恵の完成です。

　知恵の完成は、自己実現によってもたらされます。
　自己の認識に始まります。
　そして、自己を確立し、自信へと昇華します。
　確立した自己を外界に表現する過程で、自己善の形成していきます。
　自己善の確立は、善への志向、意志の成立させます。
　そして、意志に基づいて自己を実現します。
　そして、自己が実現された時、万人への愛となって人々に降り注がれるのです。
　それが自由の本性であり、知恵の完成です。

　知恵の完成は、自由と愛の実現でもあります。

　自己のあり方と行いと感情が一つになる時、知恵は完成します。
　肉体と意志と志向が、一致するところに自由はあります。
　そして、それ知恵が発揮された時、愛がこの世に姿を現すのです。
　それが英知です。

　真善美一如。
　それが、自由の究極の姿です。
　真善美は、生きていく過程でいろいろな経験を積むことによって磨かれていくものです。
　そして、それが、一体となった時、知恵は、完成するのです。

　教育とは、教え育てることです。この育てるという事が疎かになり、教えることばかりが問題にされています。

　教育は、子育ての延長にあるものです。子育てというのは、子供の成長の過程です。
　即ち、教育は子供の成長に合わせて計画されるべきものです。
　子供の成長は、自己の確立の過程でもあります。

　子育ては、母の愛より始まります。教育は、それが、師の愛へと引き継がれ、そして、社会の愛へと引き継がれ、最後に、自己の万人に対する愛によって完結します。

　子育てから、学校へ。
　そして、教育は、学校から職場、社会に引き継がれます。
　しかし、その根底に流れているのは、変わりません。普遍的愛です。
　教育の根本は愛なのです。

　学校を出たら、教育も勉強も終わるわけではありません。教育は、始まりであり、終わりではありません。つまり、完結したものでもなく、完結したものである必要もないのです。

　勉強は、生涯続くのです。むしろ、学校を卒業した後の方が、重要なのです。

　そして、行き着くところが知恵の完成です。
　知恵の完成は、学校ではなく。社会においてなされるべきなのです。

　詰まるところ、教育の場は、社会であり、人生なのです。

　　　　　　　　

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