真の教育とは


真の教育者や学校とは



 教育する者は、学ばなければならない。

  今は、受験戦争といって教わる側に、競争を強いています。しかし、本来、師は、生徒が選ぶ者です。生徒より、学校こそ競争の原理を働かせるべきです。ところが、今は、生徒に学校や先生を選択する余地が与えられていません。というより、情報がない。学校を選ぶ基準は、何を教えるかによってではなく。どれだけ多くの生徒を有名校に入れているかになっている。教育を健全にするためには、学生が、師や学校を選べるようにする事が必要です。
 以前は、教師のことを、聖職者と見なす傾向がありました。結婚式の時は、必ず、恩師として、自分の学生時代の先生を招待するのが、常でした。しかし、今は、どうでしょう。
教育者の人間性を問える状況ではない。教師も職業の一つとなってしまった。特に、組合が強力になってから、その傾向は、強まった。

 本来の師とは、人生の師である。尊敬しろと強要しなくても、尊敬できる対象それが師です。だから、先人達は、恩師と呼び、一生、変わらぬ敬愛の情を持ち続けたのです。
 良き師、良き友と出逢う。それが、人生を左右する重大な出逢いと、古来から位置づけられてきました。だから、良き師が居ると聞けば、万金を積んで、招聘をしたのです。また、良き師を求めて、全国を行脚したのです。その日本の良き伝統は、明治維新の時、存分に発揮されました。外国から招聘された多くの教育者は、近代日本の礎を築くのに、尽力しました。
 今は、師を求めて学校に行くのではありません。ただ、偏差値と学校の名前だけで行くのです。つまり、学校を選ぶ基準が師ではなく、進学率に取って代わられてしまったのです。そこに、教育の荒廃があります。

 このように学校に対する見方は変わってきました、しかし、師の役割は、変わっていません。優れた師を産み出す事、それが教育の最も重要な要素であることは変わりません。そして、優れた教育者に求められる事は、人格です。なぜなら、教育の現場で最も要求されるのは、人間としての生き方、生き様だからです。
 そのためには、教育者は、人生経験豊かな人や社会経験を積んだ人がいいのです。間違っても破廉恥な罪を犯す者を許してはなりません。
 教育の現場で与えられた傷は、一生、癒されることはありません。なぜなら、そこが人生の育む現場、道場だからです。

 極端な思想の持ち主や反社会的な思想の持ち主は、排除されるべきです。なぜなら、教育する側の権利より、される側の権利が優先されるからです。なぜならば、教育によって侵される権利は、する側より、される側の方が大きいからです。

 学校というのは、進学率を高めることが目的ではありません。それは、塾や家庭教師に求めればいい。
 学校は、人生の師たる人材を育成することにあります。だからこそ、教育者は、ある種の修道者でなければ勤まりません。
 現に、過去においては、聖職者と呼ばれていたのです。

 だからこそ、両親、保護者、地域社会の役割が重要なのです。つまり、優秀な教師を捜し出し、教育を委ねる事、それが最大の任務なのです。その為には、両親と地域社会が人事権を取り戻すことが緊急の課題なのです。

 教育は、学校だけでなされるものではありません。学校に入る前は、家庭において、学校を卒業したら、職場に教育は、引き継がれなければなりません。学校に通っている間、学校で教えられない事は、家族や地域社会が担う必要があります。スポーツクラブや文化クラブ、塾、そして、青年団といったものが、学校に足らない部分を補完する必要があります。
 学校は、万能ではありません。教育のほんの一部を担う機関にすぎません。だから、学校を閉鎖的な社会にしてはなりません。

 義務教育中の学校は、公的機関です。つまり、国家の機能を補完する特殊な機関です。その点を忘れてはなりません。独立した言論機関でもなければ、営利を目的とした機関、私的目的を追求する機関とも違います。国家体制に属する機関である事を、忘れてはなりません。
 それが、学校の役割を規定しているのであり、学校の限界でもあります。その限界を問題とするなら、学校以外にその役割を求めなければなりません。



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