巣立ち


子供が巣立つ時



光陰矢のごとし、時間がたつのは早いものです。
いつの間にか大きくなって。
もう、子供も巣立つ頃が近づいてきました。
動物の世界では巣立ちは厳しいもので、命がけで守ってきた子供を親が襲ったり、突き落としたりして巣立たせるものです。
それに対して人間は、なかなか巣立つ事ができず、中にはいつまでも家に引きこもったりする者まで現れます。
まだ、息子は中学ですが中学を卒業したら海外へ留学すると決めているようです。
時折、幼い頃の息子の姿が目に浮かんでくる事があります。
今は外国と言っても昔ほど遠いところでもなく、国内の学校に行ったところで何年も帰ってこない子もいます。
巣立ってしまえば、その子にはその子の人生があります。
ただ、人の親心というのは又別でいつまで、いつまでも子供の幸せを祈らずにはいられません。

昔と違って、今は、学校を卒業して家を出るとなかなか家に帰ってこなくなります。
親孝行と言っても古い考え方と一笑されてしまう。
もはや親孝行なんて期待できる時代ではありません。
むしろ、生産能力をなくした年寄りなんて社会にとって無用の長物、邪魔者、厄介者でしかなくなりつつあります。

親の恩といったところで、恩という思想そのものが失われてしまった今日では、何の役にも立つません。

だから、今日では巣立ちは今生の別れを意味する事さえあります。
知らず知らずのうちに実家に帰る回数が減り、気がついて見れば、何年も実家の敷居をまたいでいないなんて事もままあります。

親子と言っても、結局、自分の遺伝子を残すくらいの関係でしかなくなりつつあるのかもしれません。

それでも、巣立ちというのは、人生の一大転機である事に違いはないのです。


                content         


ページの著作権は全て制作者の小谷野敬一郎に属しますので、 一切の無断転載を禁じます。
The Copyright of these webpages including all the tables, figures and pictures belongs the author, Keiichirou Koyano.Don't reproduce any copyright withiout permission of the author.Thanks.

Copyright(C) 2012.4.2 Keiichirou Koyano

教   育