教育の理想を求めて
口答え・言い訳
口答え、言い訳をしない。
口答え、言い訳をさせない。
それは、子供の頃から叩き込まれた。
特に、江戸っ子の名に恥じないようにと。
そして、もっと素直になれと付け加えられた。
土地土地の教えがあるが、自分は江戸っ子は言い訳をするなと言われ続けた記憶がある。
江戸っ子というのは、いつまでも根に持たず。済んだことは済んだこととしてさっぱり水に流し、すぐに頭を切り替えて前向きになれというのが本意である。
ただ、それが行き過ぎると粘り強さとか、根気とかが失われ、忘れっぽくなる癖がある。
江戸っ子が軽く見られるのは、そういうところかもしれない。
ある意味で江戸っ子は口が悪い。口が悪いから、いちいち相手が言っている事を気にしていたらやってられない。それに江戸っ子はせっかちと来ているから、何でもかんでも省略してしまう。挙句に何の飾りもなくなってしまうという事になる。
だから、無江戸っ子は華美を嫌い、清潔で始末が良い事を重んじる。見た目を気にしていたらどやされる。
これは余談。本題に戻る事とする。
口答え、言い訳をしない。
口答え・言い訳をするなと言われたからと言ってただ黙って従えばいいと言っているのではない。
あくまでも、不必要に言い訳や口答えをされると事実関係が見えなくなるからである。
反論すべき事があれば堂々と反論すればいいし、反論してはいけないなんて一言も言っていないのである。
ただ、わけもなく、感情的になったり、さしたる意味もなく反抗的になったり、変な思惑に囚われて聞かれたこと以外の事を応えたり、論旨をはぐらかそうとするから口答えや言い訳をするなというのである。
それは言い訳にとられるような言い方もするな。口の利き方には注意しろという事も含まれている。
つまり、言い訳や口答えは、判断を誤らせるからであり、無用な事に勢力を費やさせるからである。
同じような事に、意味もなく、批評、中傷はするなという事もある。
無駄口をきくな。
余計な事は言うなという事である。
自分の怠慢でやっていない事は、すみませんの一言で済ますべきなのである。
ただ、言うべき事があったらはっきりという。
言いかけて途中でやめるのも判断を狂わせる原因になるし、報告を受けている者、質問をしたものにとって不快な物、つっかえを残す事になる。
自分の怠慢を人の性にしない。
すいませんの一言で済ます。
安易にすいません。すいませんとは言わない。
すいませんという一言で何でも済まされていたらそれも困るからである。
やはり、すいませんというような事をしてはいけないのである。
理由を聞く目的は、何らかの重大な理由がある場合を想定している。
口答え、言い訳をしたり、許すと言い訳や口答えした内容を容認、正当化する事になる。
また、言い訳や口答えによって納得してしまう。納得させられてしまう事になる。
また、事実関係が曖昧になる。
その為に、確証を得なければならなくなり、それに対する時間や勢力を取らされることになる。その為に、貴重な時間を失い、多大な精力、余計な精力を費やさなければならなくなり。なおかつ、重大な判断ミスを犯しやすくなる。確信も得られなくなり、後々禍根を残す事になる。
だから口答えや言い訳をせず、やっていない事はやっていない、失敗やミスは、事実関係だけを簡潔に言えばいい。また、理由や原因、詳細は聞かれれば応えればいい。聞かれない限り、余計な事は何も言うなと叩き込まれた。判断ミスを招くからである。
要は聞かれた事だけ答えればいい。細かい事は聞かれた時に応えればいい。ただし、聞かれても困らないように準備だけはしておけと躾けられてきたのである。
今は、言い訳、口答えが多くて、無駄な事、余計な事ばかりで肝心な報告がされていない事が多い。
実務上大切なのは、どんな事が話されたかではなく。結論は何で、それに対してどうすることになったかである。
急ぐときは、結論から言え。結論だけを言えと言われ。畳み掛ける様にそれでどうすることになった聞かれたものである。仕事をするうえでは、それだけでいいし、十分なのである。
必要に応じて、状況説明や経過、原因などを事実関係のみでこたえる。それを日常的に訓練されてきてた。
話の話はするな。話の核心をつけ。落とし処を考えて話せと繰り返し教えられたのである。
言い訳がましい事を言うとお前は一言余計なんだよと叱られた。
重要なのは適切な判断をすることなのである。
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