会社とは何だろう

会社とは何だろう

自分は、新卒を採用する際、採用を担当している者に、
おまえは、採用する者を四十年間面倒を見る覚悟があるかと聞くことにしています。
これは常に自問自答することですが、でも、覚悟はできても
今採用する者の行く末を自分は見届けることはかないません。
自分の部下に後事を託すしかありません。
つまりは、この会社を少なくとも後四十年間継承していくだけの覚悟なければ、新卒を採用するなと部下に言っているのです。
それは、正直言って切ないですね。
今だって自分のやって来たことを自慢できる訳ではない。
なのに、それを自分の部下に委ねなければならないのですから。
勝手な話です。
無責任と言われればそれまでです。
でも、僕は、社員に言っているのです。
会社は株主のものとか、何とかいろんな事を言う人間がいるが、
そんなことはおまえらに関係ないことだ。
おまえらにはおまえらの人生がある。
その人生の大半を仕事場で送ることになる。
だから、職場を自分にとってより良い処に変えるのは、おまえらの責務だ。
嗚呼いい人生だったと言えるような職場にしろよ。
幸せになりたければ会社を良くしろ。
世の中の人は、社畜になるななんて言うけど、会社ほど社員に尽くしているものはないじゃあないか。
事故を起こしたら真っ先に飛んでくるのは、会社の人間だ。
一日たりとも病気で休んだらすぐに大丈夫かと電話をしてくる。
会社勤めをしている者が孤独死なんてすることはない。
万一なくなったって盛大な葬式をしてくれる。
でも会社を離れた者のはどれほど現役時代に良い地位を占めても誰も来てはくれない。

会社は、家がないと言ったら家の世話をし。
世の中で役に立つことを沢山教えてくれて、保険だって世話をしてくれる。
夏になれば、潮干狩りをしたり、社員旅行をしたり、
また冠婚葬祭には、総出で手伝いもし、また、祝福もしてくれる。
四六時中会社は皆のことを見守っていてくれるというのに、
なのに、今の社員はまるで会社に感謝しようともしない。
それを忘れないでくれと。
僕にとって会社は生き物なのです。
そして、会社には、会社独自の意志や心がある。
それに反した行動をとれば例え経営者でも会社から報復される事を覚悟しなければならない。
だから、僕は時々耳を澄ませて会社の声やうめき声を聞くようにしているんです。
自分の会社は、僕にとってかけがえのない兄弟みたいな存在ですね。

　　　　　　　　

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